人は今までやったことがないことをしたり、見たこともないことを見たり、
聞いたこともないことを聞くことにワクワクすると同時に不安感を覚える。
それは人間の防衛機能としてごく自然なことで、何かいつもと違うことを察知すると自然に体が反応するのだ。
どんなに今現在のことに文句を言っていようが、自分をいつもの状態においておくほうが安心するし
変わらないことへの安堵感をおぼえ、つまり快適なのだ。
海外で冒険したくなったとき、または冒険しているとき、
ワクワクした気持となんともいえない不安感に襲われた時には
いったん、その思考をストップしてみる。
そのタイミングが来たら自然に体は動くし、ほんとうに楽しいと思うことであれば
考える前に行動する。なので、すぐに行動できない自分を責める必要もない。
言葉も環境も文化も土地も違う場所にいるということは、日常を離れて違う世界にポンと放り出されたようになる。当初は不安でいっぱいかもしれないが、人間はその環境に慣れていくので、それが日常化されるとまた新しいことをしたくなる。
新しい世界を知ったら、これまで自分がどれだけ小さな世界にいたんだろうと気づいたり
いかに自分が快適な世界にいたかということにも気づかされる。
日常の雑多に追われ行動をたくさんすることもいいけれど、いったんそういった行動をストップして
「自分とは何か」を見つめ直すことはこれから100歳人生と言われる中、一番大事なことだと思う。
不安の種類にもいろいろある。お金の不安、健康の不安、将来の漠然とした不安、仕事の不安などなど。
不安感を覚えるということは悪いことではない。それ以上に自分がワクワクすることがあるということを思い出し、それが本来の自分なんだと、そしてそのことを常に意識して、「本来の自分」になりきって行動してみる。
不安は空に浮かぶ雲のようなもので、来ては去っていく。
空を見ていていちいち雲が邪魔だとのけようとする人はいないだろう。
その奥にいつもある青空(空間)が本来の自分の姿。
そうして空(心)に常にスペースをあけておき、ワクワクした気分でいると
またワクワクしたことが起こるスペース(空間)が出来てくるのかなと思う。
それが、たくさんの雲でおおわれていると、ワクワクが入るスペースもない。
不安を感じたとき、自分に問うてみる。「これは実際起こっていること?」
「これが今考えたいこと?」「これを考えていることで自分はハッピー?」と。
そうすると不安に思っている大体のことは、過去のことを思い出したり、未来の起こってもいないことで
妄想がふくらんで、ますます不安になっていることが多い。
そんな時は、今この瞬間だけに集中してみる。すると今、この時、何の問題もないことに気づく。
今、息をしている、食べられる、住める、話せる・・(たとえこれらのことが出来ない状態であっても、これらのことを考えているということは生きているということだ)。
そして、何かをしなければならない、完璧にならなくてはいけない、今のままじゃだめだ・・
などなどの思いを手放せば不安は雲が消えていくように気がつけば姿を消している。