カナダのレイクルイーズ湖の近くの職場から
車で数時間のキャンモアという街に住むことになった。
この時、先のことは何も考えていなかった。
とりあえず職場を離れることだけ考えていた。
キャンモアでは、日本人の女性とカナディアンのカップルが住む家の
一部屋を借りることになった。
その日本人女性Jさんは
私が部屋をインターネットで申し込んだとき、「できるだけ早く入居したい」旨を
伝えていたので、「相当、何か事情があるのかな?と思っていたらしく
「すぐに部屋を見にきてくださっていいですよ」と快く言ってもらった。
1泊ホテルに泊まった私は、翌日さっそくJさんの部屋を見に行き、
まだ新築でバスルーム等もとてもきれいな部屋だったのですぐに気に入り、即決した。
少し落ち着いた後、とりあえず食料を買い出しに近くのスーパーに買い物に行った。
1つの家を数人でシェアする時、日用品(食料からトイレットペーパー、石鹸等にいたるまで)は
すべて自分で買ったものを使い、それぞれ個人のものを使うことになる。
すでに寮の生活で学んでいたので、普通に買いそろえることができた。
いろいろ欲しいものを選んだりしていると、なんだか「幸せだな~!」と涙が出てきた。
買い物をしているだけなのに、そんなシンプルなことが、
自分の意志でできることというだけなんだけど、
ほんとに心の奥底から幸せ感が充満した(^^♪
この時の幸せ感は、その後本当に味わったことがない感覚だった。
カナダでは、今でいうシェアルームをしているお家が多く、
ベッドルームが空いている部屋を貸すところが、たくさんある。
私が借りたJさん宅のお部屋は、きれいさも条件もその後私がカナダ滞在中に借りたどの部屋よりも最高だった。
(ちなみに私はカナダで4回も引越しした。日本では生まれてこのかた引っ越しなど1度もしたことないのに(^_^;))
家賃も約10年前だが、月々400カナダドル(高熱費、インターネットすべて込)と超お手頃だった。
カナダで部屋を借りる時は、ルームメイト(一緒に暮らす人)との相性はとても大事。
Jさんと私は会った時から意気投合し、時には夜遅くまでしゃべりまくっていた(笑)
もちろんカナディアンの旦那様もとてもおもしろくて素敵な人で、
これまでの私のいきさつ等もいろいろ聞いてくれて、
これからどうしていくかという相談にもよくのってもらった。
Jさんはもともとワーキングホリデーでカナダに来て、
だんな様と出会い結婚した。Jさんの英語は
ほぼネイティブといってもいいぐらい、すごいものだった。
「どうしてそんなに英語がうまくなったの?」と聞くと
もともと日本の大学在学中でも、
英語クラブに入るほどの英語好きということもあったけれど、
ワーホリでカナダに来た時、徹底して日本語を使わないようにしたとのこと。
そして日本人の友達も1人なんでも話せる友達を作っただけで、
それ以外はカナディアンばかりという徹底ぶりだった。
なので弁護士事務所の秘書をしているというのも納得だった。
もちろん、英語の履歴書等もお手のものだったので、
私はこれから始まる就活・・(40代後半でまさか外国で就活するとは夢にも思わなかったけれど)
のための履歴書、cover letterをチェックしてもらったりしていた。
私はその時、ホテルで働くことにとても興味を持っていたので、
ホテル業界に応募しようと思っていた。
レイクルイーズの職場でのワークビザで働けなくなった今
新たにワークビザを出してくれる会社を探す必要があったからだ。
Jさんも今の弁護士事務所の仕事をゲットするまでに、
相当苦労したらしく、「絶対に自分ができると思えば、できるから」
といつも励ましてくれた。
外国で生活する時、語学力をあげるために、
やたら日本人との接触をさけるとかする人がいるけれど、
このJさんの言った「なんでも話せる友達が一人いた」ということは、
とても良かったことだと思う。
海外に数年滞在するということは、
本人が思っている以上に環境の違いに言葉の違いにストレスを感じるものである。
自分の母国語で話す、何のストレスもなく自分の気持ちを言える日本人の友達を持つことは
精神的にとても大事なことだと思う。
私自身も、カナダで、このJさんをはじめ、日本人の友達には本当に助けられたことが多かったので、
海外での日本人との出会いも、これから海外に滞在する人には大切にしてほしいと思う。
そして・・・キャンモアでの就活がスタートした(*^_^*)
~つづく~