カナダのビザの壁 ~その11~

カナダのキャンモアで就活をせざるを得ないようになった私は
毎日のように履歴書をキャンモアのホテル業界を中心に送り
直接行けるところは手渡しでホテルを訪ねたりした。

中にはすぐに面接をしてくれるところもあるので、
スーツ姿、パンプスでの就活だった(幸いレイクルイーズでの仕事が接客業でスーツを
日本から何着か持っていたのでよかった)

もちろん面接では、なるべく働けるビザを持っていないことは言わず、
自分の出来ること、アピールできること、
自分がどうしてもそのホテルで働きたいという思いなどを言うようにしていた。

ルームメイトのJさんが常に、
「日本人はすごく控えめだからアピールすることが下手、
こっちの人(カナディアン)なんて、
「こんにちは」って日本語であいさつできるというだけで、
「日本語の日常会話はOK
です!」って堂々と言うよ。」と言っていた。

Jさん自身も、カナダのビザの関係で日本にしばらく戻らないといけなかったとき、
ある外資系企業で、外国人上司の秘書に応募したそう。
Jさんは英語だけには自信があったので、
面接でアピールできたが、面接官に
「ところで、○○さんはPCの操作等も出来ますか?wordとかExcelとか・・」
と聞かれた時、まったく経験がないにもかかわらず「はい、問題ありません!」と言い切ったと言う(+_+)

そしてみごとそのポジションを得たあとは、その作業をする時になって、
「あーなんか私がやっていたのと、バージョンが違うみたいで~・・」みたいなことを言って、
まわりの人に教えてもらったそうだ。 あっぱれ~としかいいようがない(^^♪

Jさんは、英語だけには誰にも負けないという自信があったので、
あとのことはなんとでもなると思ったというのである。

この話を聞いて、世の中こんなもんだよな~と思った(^.^)

私も日本に帰国して大学の教授秘書の面接の時、
同じような質問をされて、PC操作にそんなに自信がなかったにも関わらず、
このJさんのことを思い出し、「はい、出来ます!」と言い切った(^^♪

その後は、大学院生等にわからないことは聞きまくり、
プラスアルファ、違うシステムの使い方まで教えてもらったから、
入る前からあれこれ不安に思うことはないんだと
つくづく思ったのである。

キャンモアでは昼間はほとんど毎日、就活をし、
しない日は近くの川沿いや町をブラブラ歩いたり、
図書館で本をよんだり、道で出会ったケカナダでケアギバーをしている日本人女性に
ハイキングに連れて行ってもらったりして過ごした。

その当時、ケアギバーはカナダに滞在するためにはとても有効な手段だった。
カナダ人の家に一緒に住んで子供の世話をするという日本人は結構いた。
その時の私の選択肢にはなかったが
もちろん子供好きで、面倒を見ることも好きという人なら最適な仕事だと思う。

就活していた中で、数件、面接にこぎつけて、
マネージャーに会うところまでいったホテルもあったが、
最後のビザの話になると、「じゃあうちでサポートしましょう」と言ってくれるところはなかった。

日本人にビザを出すには、
「カナディアンではなく、この日本人を雇う必要があるという強い理由がいる」からだ。
その難しさはわかっていたが、そこで断られるたびにそのむずかしさを痛感することになった。

そんな中でも、Jさん夫妻はいつも私を励ましてくれ、
時々、深夜まで話がとぎれず笑いこけることもあり、
まわりから見れば、私はシリアスなシチュエーション(40代、無職、外国で就活などなど)
に見えたかもしれないが、毎日が新しく、ハプニングでほんとに楽しかった(^^)/

                               ~まだまだつづく~