ぼくたちは習慣で出来ている 佐々木典士著

ぼくたちに、もうモノは必要ない。 – 断捨離からミニマリストへ –by 佐々木典士 を数年前に読み

モノを手放すことによって得られるしあわせについての話に感動しました。

 

そして、もともとこの本を書くために
「モノを自分の必要な最小限にしていった」という

著者である佐々木さんの行動が衝撃的でした(^^;)

 

そしてどんどんモノを手放していっている過程を
読んでいるうち、自分もすでに気持的には手放していっている気分になり
読んだ後の「スッキリ感」はなんとも言えなかったのを憶えています。

 

その当時、私がカナダで2年ほど暮らして日本へ帰ってきたぐらいの時だったと思います。

不思議に思っていたのは、カナダに住んでいた頃は
スーツケース2個にも満たないもので充分暮らせたのに
どうして、日本に帰った途端、モノが増え、
たくさんの物に囲まれてしまうんだろう~ということでした。

そして日本にいて、たくさんの物に囲まれ、

必要なものは全部手に入るような環境にいて幸せである反面、

窮屈感やモノのみならず、人やコトへの執着を感じていました。

 

佐々木さんの本はそんな私の思いを開放してくれたように思います(^^♪

 

そして私はミニマリストまでもいかないけれど、

モノを手放すことによって得られる幸せという

感覚がなんとなくわかるようになってきました。

 

今回、ご縁があって佐々木さんの著書第二弾

「ぼくたちは習慣で出来ている」を出版前に読ませていただける

というチャンスをいただき

遅らばせながら(^^;) レビューさせてもらおうと思います(*^^*)

 

 

常日頃、習慣というのはすごく軽く感じられがちですが

習慣を変えるということはなかなか難しく、

でもいったん、変えられたならば、

人生を変えてしまうぐらいのパワーを持つものと感じていました。

 

私はこの本に書かれている佐々木さんの習慣の一つである

「図書館に出勤する」というフレーズが大好きです(^.^)

私自身が、図書館好き、本が好きというのもあって、このフレーズを聞いてからは

私も図書館に行く習慣があるので、

「図書館に出勤しよーっと」とルンルン気分で行きます(^^♪ ←単純

 

本書ではミニマリストに直接通じる話はあまりありませんが

人が何か新しいことを習慣化する時の脳のメカニズムなどを
わかりやすく説明され、習慣とモノとの関係にも述べられています。

そして、私が「うん、うん・・・」とうなずける内容が、

「モノを減らすことが習慣へのハードルを下げることにつながる」

ということ。

 

これはすべてのことにあてはまることだと思うのですが、

たとえば、毎朝ジョギングをする!と思った時に、

朝から「昔、履いていたジョギングシューズあったよなー」

「ウエアはどれを着たら楽かな?」

「どのコースを走ったらいいかなー」など選択肢が多ければ多いほど、

持っているもの(思い)が多いほど、

物事をスタートするハードルが高くなりますね。

 

でももともとモノもそうですが、自分が持っている思い込みや既成概念が

あまりなかったり、少なかったりすると

比較的すぐにスタートでき、スムーズにスタートできれば習慣化もされやすくなります
(ただあとはやればいいだけという状態だから)。

それとは反対に

「やめたい習慣はハードルを上げる」ということも書かれ、

「ピスタチオは、殻を剥くのが面倒なので、
素焼きのナッツよりも食べ過ぎを防ぐことができる。
これをぼくはピスタチオ理論と呼んでいる。
やめたい習慣があったら、何かこのピスタチオの殻のように
使えるものがないかと探し、とにかくハードルを上げることが重要だ」

(本文より抜粋)

とあります。

誰しも、なかなかやめられない習慣というものがあるのではないでしょうか?

「お酒をやめたい」「タバコをやめたい」「テレビをやめたい」「SNSをやめたい」などなど・・・

そのような習慣にいたる人の脳のからくりとでもいうべき内容も
たくさんの事例をあげて紹介されています。

 

 

特に英語の学習について、「なるほどな~」と思ったのが

下記の佐々木さんの1日のスケジュールです。

 

毎日の出勤(図書館へ)前に、「英語を話す」ということを入れておられます。

おそらく時間にして30分足らずだと思いますが、英語を話すということを
上手く習慣にされていると感じました。

本文中にも述べられているように

新たな習慣を追加するには

「トリガー(引き金、きっかけ)を仕掛ける」ということが有効だということです。

 

特に、「英語を勉強する」ということについて

「片づけはできていないとイライラさせられることもあるが、
それで命まで取られるようなことはない。

英語もできた方がいいだろうが、日本の会社で生きていくのにまだ必須でもない。
こういった切羽詰まった状況にないものを

習慣づけるのは難しい。だから意図的に行為を始めるトリガーを作る必要がある」と。

 

佐々木さんが出勤前に自分の決めた時間に「英語の授業」を入れておられるのは
出勤前の「儀式」のような位置づけではないかと思います。

それを行わないと、その「英語の授業」に遅刻すると罪悪感、違和感を感じるまでに
もっていくことを上手く習慣化されていると感じます(^.^)

最後に、私にとってインパクトがあったのは
次の言葉です。

 

自分の関心のレイヤーを増やすと、

そのレイヤーで受信できるものが増えて、

以前とは違った世界が立ち現われてくる。・・・・

現代では成長の機会を意図的に求めなければならない。・・・

「こうやって楽しんでくださいね」という楽しみ方が

決まっているものは、いつしか飽きてしまう。

そうしていつしか自分自身に飽きる」

 

という文です。

 

これは私がこれまで英語のみならず、
自分が好きなこと、感心のあることのレイヤーを増やしていって、
はじめて見られた世界というのがあるということを実感したのと通ずるところがあり、
これを読んである意味安心し、共感したフレーズでした。

 

「人は習慣で出来ている」「習慣が人を作る」と言われるぐらい、

習慣というものはとてつもないパワーを持っています。

今回の佐々木さんの著書を拝読し、つくづくそれを再認識しました。

 

本書では「ただ習慣を変えたいーー!」という人には、
第3章から読めるようになっていたり

「どうしても習慣を変えようとしてもこれまで変えられなかった・・
どうしてそうなっちゃうのか・・?」と

習慣にすることを諦めた人にも効くエッセンスがいっぱいつまっています。


人があることを習慣化するまでの意志力との関係等を
最初に説明されてますので
「あ~そういうことになってるのか~!」と
納得させられるすばらしい書籍だと思います。

 

そして習慣を変えたい、人生を変えたいという方にも

すごくわかりやすく書かれているので

きっと取り組みやすいのではないかと思います。

私自身も習慣が人生に与える影響の大きさに改めて気づけました。

 

前著の「ぼくモノ」が自伝的な内容も入っていたせいか、佐々木さんをより身近に感じたのに比べ

今回の「ぼく習」は、正直なところ、「佐々木さん、どこ行っちゃったの~?」(笑)

と遠くに感じました。

 

とりあげられている内容も全然違いますし、それは当然のような気もします。

「ぼくモノ」から「ぼく習」までの佐々木さん自身の変化が

感じられ、この数年間の佐々木さんの思いがこめられた

すばらしい書籍だなと思いました。

このようなチャンスをいただいて、佐々木さん、ワニブックスさん、

ありがとうございまーす!(^^)!